【カップルで映画感想文】今年1番お気に入りの映画を彼氏におすすめしてみた。

この記事はるぅパイちゃんの投稿です🤎
2021年に観た映画の中で、ダントツに心打たれて、長期間あれやこれやと考えさせられた作品があります。
2021年1月に公開した映画、『花束みたいな恋をした』です。
映画館に観に行った背景としては、この映画公開と同じ頃にAmazon primeビデオでどハマりしていた、ドラマ『カルテット』の脚本・監督と同じ坂元裕二さん×土井裕泰さんのタッグ作品と知ったこと。秒でチケットを取ってひとりで観に行きました。(カルテットも奥深くておすすめ…)
時間が経ってもよかったなぁ、あれはよかったよなぁ、と常に頭に残っている状態で、ついに先週末U-NEXTに登録して過激くんにもおすすめできたのである!(その前にひとりでも観たw)
すでに3回視聴しているわたしですが、懲りずに感動してやられております。
もうすっかり、主演の菅田将暉くんと有村架純ちゃんのファンになっちゃった。
大学2年生の麦くん(菅田将暉くん)と絹ちゃん(有村架純ちゃん)が出会って、恋をして、そして年月を重ね、恋を終わらせていく5年間の物語。あらすじはここでは割愛します。気になる方はぜひ作品をご覧ください…!!
見どころはたくさんあるのだけど、まずは前半のロマンチックさにとにかく興奮。何度観ても同じところでニヤけてしまう。
”「電車に乗っていたら、ということを彼は、”電車に揺られていたら”と表現した。」”
と、麦くん(菅田将暉くん)の何気ない言い回しに心惹かれる絹ちゃん(有村架純ちゃん)、にアラサーのわたしも大共感。
小説っぽいナレーションが心地よくて、終始好きな世界が溢れております。ふたりが住むお部屋も本棚とかバルコニーがまたいいのよ。あそこ住みたい。駅徒歩30分だけど。笑
そんな感じで前半は可愛いふたりの、尊いやりとりを延々と観れるのです。
そしてこの作品のテーマだと思われる、ふたりの環境の変化に伴った気持ちの変化…。
楽しくて幸せな日々を守るために、麦くんは社会に出ることを決意するけれど、それによってふたりを取り巻く環境が大きく変わり、次第に関わり方や気持ちも変化していく。
絵を描くことを仕事にしたいと、大学卒業後も就職はせず、イラストのバイトと仕送りで生活していた麦くん。その彼の元にいくつかのきっかけが訪れる。
1つ目は絹ちゃんのご両親が、ふたりの同棲する家にやってきて、「社会に出ることはお風呂に入ることと同じなの」と社会に出て働くことを諭される。
2つ目に自身の親に、地元に帰ってくるように言われ、絵を仕事にしたいと伝えるも関心を持つことすらされず、仕送りを止められる。
さらにイラストのバイトが打ち切られてしまい、麦くんと同じように好きなことで生きていこうと、カメラを生業にすることを目指す先輩には、「(生活が苦しいなら)絹ちゃんに夜の仕事を紹介できるよ」と言われる。
目の前のことに夢中になれる麦くんは、一方で目の前のことしか考えられない。このままでは、自分が働かなくては、絹ちゃんにも苦しい生活をさせてしまうのではないかと考えたんじゃないかな。自分が働きさえすればこれまで通りの、ふたりで楽しく穏やかな日々が守れると。
日々を守ろうとしたことで、未来を失っていくわけだけど。
”夢を追う青年→「人生の目標は絹ちゃんとの現状維持です」→生きるために仕事をする、楽しさとか好きなこととかは求めていない→恋愛感情がなくなっても良い夫婦になれる”
この麦くんの人生の構図、価値観の変化が残念すぎる…。(泣)特に最後、絹ちゃんとの別れ話の最中、「やっぱり結婚しよう」と引き留めるところ。菅田くんにそんなダサいこと言わせないで、、とすら思って毎回頭を抱えてしまうシーンでもある。(笑)でもきっとそれほどリアルで、わたし自身が恐れていることなんだろうと思う。
だからわたしは「自分らしさ」や「楽しいだけの恋」を犠牲にしてしまう”社会”がどうしても敵だと思ってしまうの。
「好きなこと」を無意識のうちに捨ててしまうような社会のカタチは間違っていて、いつまでも好きなことや、夢中になれることを大切にできる世界であってほしいと願う。
もちろん色んな生き方・働き方が存在していて、この作品の麦くんのような人ばかりではないことは理解しているけど、実際あれが大衆のリアルであることも事実だと思う。
自分の気持ちにどこかで妥協をして、パートナーとの関係もどこかで折り合いをつけて、ハードルを下げて”上手く”やっていくカップル・夫婦が”良い”カタチと言われるかもしれない。けど、果たしてそれはわたしにとって本当に納得して幸せだと思えるのかなぁと疑問に思う。
自分が何度かそういう社会や会社で失敗をしているからポジティブなイメージがないだけかもしれない。でもこの映画を観ると改めて恋も仕事も「好きに生きていこう」という気持ちになれる。
度重なる偶然も、奇跡のようなシンクロニシティも、運命の恋の合図のように感じて夢中になるけれど、そう思っているのはその渦中にいる本人たちだけであって。
じゃあふたりのようなカップルは結ばれない運命なのか、というのも、それもまたちがって。
その偶然を”本当の運命の恋”にできるかどうかは、お互いをどこまで受け入れて、寄り添うことができるかに左右されるんだと思う。
恋は、始まりの美しさをそのまま維持することは難しいのかもしれない。それこそ花束みたいに時間が経つと萎んでいき、必ず枯れてしまうものかもしれない。
けれど、変化に対応して、都度手をかけてあげれば、年中いろいろな花が咲き続けるお花畑にだってできるかもしれない。わたしはそんな恋をしていたいな。
理想を求めすぎとか、夢見すぎとか、脳内お花畑だって言われたっていいよ。夢は覚めないものでしょう、恋は枯れないものでしょう?
観る人によってさまざまな感想が生まれるであろうこの作品。
恋人と同棲中の人にも、結婚をしている人にも、付き合いたてのカップルにも、これから社会に出る人にも観てほしい。
昔を思い出してエモくなる人もいれば、いま隣にいるパートナーを改めて大切に思える人もいるだろうし、すべてを達観して分析して楽しむ人もいることでしょう。
わたしたちもカップルで観て、改めてふたりがどういうカタチでありたいとか、夢やお仕事についても語れた気がする。いっしょに観れてよかったぁ〜。そして想像以上に過激くんにも刺さったみたいで、シンプルにうれしくてむふふとしております。

ひとつの作品に対してカップルでそれぞれの目線での感想を綴っています。
はじめてこの作品を観た彼氏の過激くん目線の記事はこちら!✒️